旧来より、国家資格を必要とする医業類似行為を行う「あん摩師(マッサージ・指圧含む)、はり師、きゅう師(以下「あはき業」)が認められておりますが昭和35年の最高裁番示により「あはき業」以外の医療類似行為でも人の健康に害を及ぼす恐れのない限り処罰されないとされ、結果的に、「あはき業」以外の「その他医療類似行為」が容認されることになりました。
その後、「その他医療類似行為」は、整体・カイロプラクティック・リフレクソロジー・タイ古式マッサージ・その他リラクゼーション業など、国内外から多種多様な手技や施術方法を用いた業種が流入していますが、人の健康への影響はさほど省みられないまま事業者が増加しております。今後におきましても手技や施術方法がさらに多様化していくだけでなく、ストレス社会の進展や「コト」消費のやかまりなどを背景として需要が増大するとともに、供給の面ではサービス料金の低価格化や新規参入の容易さから事業者数が増加し続けていくと思われるため、リラクゼーション業を中心とした「その他医業類似行為」の市場規模は、ますます拡大していくものと予想されます。
しかしながらこのような市場規模の拡大に比例して「その他医業類似行為」における施術自己やクレームなどの問題が年々増加しており、平成29年5月に消費者庁から注意喚起がなされていることからも社会への影響や存在感が大きくなっていることが窺えます。この先、リラクゼーション業を含めた「その他医業類似行為」を行う事業者は、行政当局やメディアをはじめとする社会からこれまで以上に健全性を求められることとになり、法令違反や危険行為が認められた場合は刑事罰をはじめとする厳しい処分や社会的批判を受けるリスクが高まっていくことが予想されます。そのような事態が生じた際には事業運営そのものに甚大な影響を与えかねないため、危険な手技及び施術を制限し施術事故やクレームをなくすことによって、健全なリラクゼーション業の発展に寄与するとともに社会からの信頼にも応えていかなければなりません。
これら昨今の時流を鑑み、【ほぐし処ゆくりや】が社会から安心・安全であると信頼され永続的な事業運営を行うためには、法令遵守のみならず、自主的に遵守する基準を定めることによりサービスを適正化していくことが必要不可欠であるとの認識に達し、当店は下記の通り自主基準を策定いたしました。
当店及び当店が契約するスタッフは相互の信頼と協力により以下自主基準に基づいた適正なサービスをお客様にご提供するとともに、もみほぐしを通して『癒し』をご提供してまいります。
第1条 【目的】
本「【ほぐし処ゆくりや】のサービス適正化に関する自主基準」(以下「ゆくりや自主基準」)は、当店およびスタッフを適用範囲とし、法令や以下に定める基準を遵守することでお客様に安心・安全なサービスを受けていただくことを目的として定めたものです。
第2条 【定義】
- ゆくりやのリラクゼーションは下記3点を満たした手技や施術であり、もみほぐしを通して『癒し』をご提供するものと定義します。
(1)あはき業に関する法律およびその他法令に抵触しない「その他医業類似行為」であること
(2)痛みや人の健康に害を及ぼすおそれのある危険な手技や施術方法を用いないこと
(3)治療を目的としないこと
- 当店はスタッフに対し、当店の自主基準範囲内で「リラクゼーション・ボディケア業務」を委託するものとし、整体やカイロプラクティックのような、効果効能を謳うことや骨格矯正などの施術方法を用いてはなりません。
第3条 【禁止する手技・施術】
痛みや人の健康に害を及すおそれのある危険な行為として、以下の手技および施術を禁止します。
- 瞬間的に強く圧力をかける手技
- 骨格矯正、脊椎に対するスラスト・アジャスト施術
- 足裏および膝を使った圧迫
- 頭部・頸部・肩部・背部・腰部において、肘の先端部を使った圧迫(頭部・頸部においては前腕(尺骨)での圧迫も禁止します)
- 腋下に対する拇指での圧迫および肘の先端部・前腕(尺骨)を使った圧迫
- 頸部・肩部・股関節へのけん引
- 頸部および腰部への捻転ストレッチ
- 当店が予め承諾してない器具やクリーム・オイルなどを使用する施術
- 外傷を伴う手技および施術
第4条 【施術を禁止する部位】
お客様に不快を与える、または痛みや人の健康に害を及すおそれのある危険な部位として、以下の部位への施術を禁止します。
- 眼球・鼻腔・口腔
- 股間の前後を中心とした半径15cm以内(鼠径部・陰部付近)
- 脊柱(頚椎・胸椎・腰椎・仙骨)…重要な神経が集中し、圧迫することによるしびれや機能低下のおそれがあるため
- 仙腸関節…圧迫することで腰痛やしびれ、機能低下のおそれがあるため
- 胸鎖乳突筋より前面の頚部…圧迫による窒息のおそれがあるため
- 肋間筋・前鋸筋…肋骨への強い負荷により骨折のおそれがあるため
- 斜角筋隙・肋鎖間隙…腕神経叢など重要な神経がありしびれや機能低下のおそれがあるため
- 腹筋群…セクハラトラブルを招くおそれがあるため
第5条 【施術に注意を要する部位】
以下の部位への施術は、お客様の事前の了承を得た上、最大限の注意を払って行うものとします。
(お客様が不快に思われるおそれがあるため)
- 目の周辺、耳を含む顔面(前条1項記載の眼球・鼻腔・口腔は禁止) (セクハラトラブルを招くおそれがあるため)
- 腋下・大胸筋・鎖骨下筋
- 臀部(前条2項記載の股関の半径15cm以内は禁止)
- 禁止部位以外の肘の先端部での圧迫、前腕(尺骨)での圧迫
第6条 【免責事項】
以下各項に該当する場合は、サービス提供をお断りすることとします。免責事項は店舗内に適宜の方法で掲示するなどして周知にあたるものとし、該当性については受付時など施術前にスタッフが必ず確認するものとします。 (お客様の体調に影響を及ぼすおそれがあるため)
- 妊娠中の方
- 心臓病・てんかん症・骨粗鬆症・心筋梗塞・高血圧・狭心症・糖尿病・人工透析を受けているなどの重篤な既往症がある方
- 椎間板ヘルニア・捻挫・炎症などの部位的な既往症がある方 ※お客様の了承と該当部分を避けて施術を行なう場合は可
- 傷病があり現在通院(加療)中で医師の許可がない方
- 術後半年以内の方
- 発熱している方
- その他お客様の体調に影響を与えるおそれがある場合 (店舗運営に支障をきたすおそれがあるめ)
- 水虫など伝染性の皮膚疾患がある方
- 飲酒もしくは多量の食事を摂った直後の方
- 暴力的な言動もしくは威圧的な風貌の方(暴力団など反社会的勢力と思われる方)
- その他店舗運営に支障をきたすおそれのある場合
第7条 【禁止する表現および表示】
医療法・医師法・あはき業に関する法律、不当景品類および不当表示防止法(以下「景品表示法」という)に抵触するおそれのある以下の表現の使用を禁止します。
1 医業またはあはき業と誤認を与える表現
(1)名称や行為・・・[施術院/施術所、治療院、患者、マッサージ、診断する、問診する]
(2)疾病名や症状・・・[肩こり、腰痛、頭痛、便秘、冷え性、〜症、悪い/痛い、歪んでいる]
(3)機能改善・・・[治す、効く/効果がある、調整する/矯正する、良くなる/好転反応、動くようになる、〜が取れる、〜が消える、解消、美肌、増強/増進、〜改善]
(4)その他前名号に準ずる表現
2 景品表示法上の誤解または誤認を与える表示 (1)優良誤認表示・・・[安心、安全、完全、絶対、保証、必ずなど] (2)有利誤認表示・・・[〜より、世界初、業界初など] ※根拠がある場合はこの限りではない (3)その他前各号に準ずる表示
第8条 【衛生面】
公衆衛生およびお客様の健康保持の観点から、適切に施設・設備の清掃を行うとともに、身だしなみについても清潔に保つものとします。
第9条 【問い合わせおよび苦情】
当店およびスタッフは、お客様からの問い合わせおよび苦情に誠実に対応するものとします。
第10条 【個人情報の取扱い】
当店およびスタッフは、個人情報を取り扱うに当たり、個人情報保護法および当店が規定するプライバシーポリシーを遵守するものとしま。
第11条 【 ゆくりや自主基準の変更】
当店は、第1条の目的に照らし、合理的な理由が存在すると認める場合には、 ゆくりや自主基準を変更(改訂を含む)することができるものとします。その場合、当店は事前にスタッフに対し変更内容及び効力発生時期を周知するものとします。